にっぽんご おんりい
 鏡深の「牛吟庵」中国音楽研究室
★ ここは"「牛吟庵」中国音楽研究室"のページです。かつて「迷胡調」とか「虚弦洞」とかいう名前だった事もありました。
二胡むすめ
2001年9月から


鏡深の古巣山形でも二胡教室を準備中です。

壷天路
「壷天路」はこちら。CD・書籍の案内や入手依頼を扱っていました。

 メールで連絡がとれない時などにご利用ください。重要な用件や個人的な内容は電話かメールでお願いいたします。

 うえちんさま「謎の納豆培養研究者kagami氏の赤い国のおはなし」のページで紹介してくれています。


 リンクは「http://erhu.jp/」にお願いします。

鏡深って誰?
 日本国仙台市出身。男。古書店を巡り本を死蔵する幻想文学好きで、中国の志怪や神話伝説から中国に独自の偏見と親しみ持つ。
 会社生活に適応できず放浪生活の末、中国大連市で二胡の演奏を叩き込まれる。02年に中国音楽通販「壷天路」を立ち上げ、瀋陽音楽学院付属の音楽学校で指導を受ける。その後、地元の民族楽隊に中胡兼二胡で参加、在中の日本人に二胡を教えつつ、二胡の修業を続ける。他にも笛子・板胡・古琴・中阮など各種民族楽器を練習、民族音楽資料を収集。
 お祭り騒ぎを嫌って08年の北京奥運開会前に二胡試験10級を取得して帰国。山形の某温泉宿に住み込みで働きながら演奏等を行い、現在は多賀城で二胡教室を運営。


榴ヶ岡で二胡教室やります

 

4月に「牛吟庵」は多賀城から
榴ヶ岡教室にお引っ越しします。







 二胡を習いたい方、中国音楽で遊びたい方、御連絡ください。
 中国在住時に収集した豊富な民族音楽の楽譜・資料(すでに入手困難なのも多数)があります。慣れてきたら、他の楽器との合奏したり中国に二胡試験を受けに行ったりしたいです。

場所:JR仙石線で仙台から20分(快速だと10分)くらいの多賀城駅から西へ歩いて5分くらい(鏡深の自宅)。近所に有料・無料駐車場あり。(2012年春くらいに榴ヶ岡教室開始予定)

学費:
グループレッスン(3名以下)(※1)2500円/回。
  60分(準備・休憩を含めると120分くらい)を月2回。
個人レッスン:5000円/回。
  60分(準備・休憩を含めると90分くらい)を月2回が基本。
短縮個人レッスン:3000円/回。
  30分(準備を含めると45分くらい)を月2回が基本。

楽器:二胡をお持ちで無い方には楽器の斡旋(50000円〜)・レンタル(500円/週・要相談)もできます。

おためし無料レッスン:とりあえず二胡に触ってみたいという方も大歓迎。メールで御連絡ください。

鏡深宛のメール(※2)nikogurui@yahoo.co.jp
迷惑メール対策です。「牛」を抜いたアドレスで送信してください。↑↑


== 高出席率大感謝割引 ==

 2011年10月〜2012年3月の6ヶ月間でレッスンに10回以上出席(無料レッスンを除く)してくれた生徒さんは、続く2012年4月〜2012年9月の6ヶ月間、レッスン代を2割引にしちゃいます! この企画がいつまで続くかは未定です。

== 学生さん割引 == ←NEW!

 高校生以下の学生さんはレッスン代を2割引だったりします。若いうちはもっと楽しい事をした方がいいのではないかな〜と思う反面、やっぱり来てくれれば嬉しいので。ただし、同時に高出席率割引は適用されませんので、ご了承ください。計算が面倒なんです。


※1:グループレッスンはその性質上、班員の増減その他諸事情により、再編成・開始時間の変更、あるいは班の解散等が行われる場合があります。また、レッスン日時の指定はできません。御了承ください。

※2:基本的に連絡のやり取りはメールで行っております。yahooメールを受信できるメールから送信してください。迷惑メールの設定によっては、こちらからのメールが受信できない場合があります。特にドコモの携帯をお使いの方はご注意ください
 どうしても「牛吟庵」からの
返信メールが返って来ないという方は下のGmailのアドレスに送ってみてください。こちらも「牛」は抜いてくださいね。

鏡深宛のメール予備:nikogurui@gmail.com


レッスン代無料「3ヶ月おためし二胡教室」
第12期(2012年4月開始)生徒さんも募集中



レッスン予定日

第1班(日曜だいたい隔週)
 3月4日 3月18日
1月22日(10:00) 2月5日 2月19日
11月13日 11月27日 12月11日 1月8日
9月4日 10月2日 10月16日 10月30日
 7月17日 7月31日 8月21日 9月18日
5月15日 6月5日 6月19日 7月3日

第2班(日曜だいたい隔週)
 2月26日 3月11日 3月25日
1月15日(12:00) 1月29日 2月12日
11月20日 12月4日 12月18日
9月25日 10月9日 10月23日 11月6日
7月24日 8月7日 8月28日 9月11日
 5月22日 6月12日 6月26日 7月10日



第3班(日曜だいたい隔週)
 3月4日 3月18日
1月22日(12:00) 2月5日 2月19日
11月13日 11月27日 12月11日 1月8日
9月18日 10月2日 10月16日 10月30日
7月17日 7月31日 8月21日 9月4日
5月8日 5月22日 6月12日 6月26日

第4班(日曜だいたい隔週)
 3月11日 3月25日
1月29日 2月12日 2月26日 
12月4日 12月18日 1月15日(14:00)
10月9日 10月23日 11月6日 11月20日



第5班(日曜だいたい隔週)
 2月19日 3月4日 3月18日
1月8日 1月22日(14:00) 2月5日


♪ おまけ ♪

「牛吟庵」の生徒さん用、耳の訓練用ファイルをMP3で作っています。解凍用パスは鏡深の部屋番号です。使い方はレッスン時に聞いてください。
 うまく解凍できない場合は教室でUSBメモリ等に保存してください。


才極即痴也
2012年1月6日

 年末の激務を終えた辺りから「燃えつき症候群」ぎみの鏡深です。あ〜3月の雇用期間終了で仕事辞めようかな〜 でも、辞めるのは新教室の借金を返してからの方がいいんだけどね〜 もっと練習しないといけないのだけどな〜 楽曲集作るために資料の整理もしないとな〜 それ以前に生徒さんが上達してくるから教材も作らないといけないし〜
 荒俣宏の1億4000万の借金と比べたら、この程度で愚痴ってるのが恥ずかしいんだけど、もっと恥ずかしい事に
住宅ローンを組もうと思ったのに鏡深の年収では審査に落ちたから、切り崩した年金の積み立てを返さなければいけない程度の借金だったりするので、ますます恥ずかしい。
 とりあえず、やりたい事を今すぐやるのが正解なんだろうけどね。サラリーもらってると思考が守りに入るからいかんです。

 それはさて置き、目隠しして聞き比べ「どれが一番いい音か尋ねたところ、安い現代のバイオリンの方が評価が高く、ストラディバリウスなどはむしろ評価が低かった。」という無粋な実験をやっていました。高級料理店に行って、便利だからって料理が使い捨ての容器に盛られて出てきたら怒るでしょ?(笑
 ついでに言うと「安い現代のバイオリン」とありますが、
二胡の基準とはケタが2個ほど違うのでしょうから、一般人の「安い」とは感覚が違いますので真に受けてはいけません。むしろ、違いが聞き取れた事がの方を特筆すべき。

 自分で演奏しない人は漠然と値段が高い楽器ほど音色が良いと思いがちですが、楽器の値段は音の値段じゃないです。一見してオモチャとしか言いようのない安物は別ですけど。「牛吟庵」で二胡を販売する時には、最初に「二胡の値段は音の値段じゃなく材料の値段です」と説明します。
 
鏡深のタンスの上には印度小叶檀二胡が2把ほど死蔵されておりますが、使用しておりません。十分に自然乾燥するのを待っているという理由もあるけど、実際は現在使用している小叶檀二胡と老紅木二胡で音色的にも十分足りているからで、無駄に高価な二胡を使用する必要も環境も気合いも無いからです。そろそろいじりたいのだけど、時間がない。
 二胡は基本的に天然の材料を使った手作りなので、同じ規格で同じ作者が作っても音色に違いがでてきます。当然ながら、それは値段からは見分けがつかないので、購入時には試奏が必須となります。

 さらに、二胡の場合は中国の高級家具に使われる材料を使っていますので、種類も色々あり、その種類や成育環境の違う産地によっても特色がでてきます。一般に最高級となるのが小叶檀ですが、現在はアフリカ産がほどんど。ちょっと前まではブラジル産もあった。その中でも印度産が最も高い値段が付くのは、伝統的なネームバリューに加えて輸出が規制されているからです。本物ならアフリカ産の3倍以上はすると思う。さらに好景気の物価高で値段が跳ね上がっているから、鏡深の居た頃の中国とは大分感覚がズレているはず。
 日本でこのような材料の解説に詳しいのが仏壇屋さんですが、中国とは微妙に木の種類の表記が違うみたいなので注意。同じ名前でも別の種類の木を指している場合もある(習慣的なもので詐欺では無い)。

 話を戻して、聞いただけだと高価なはずのストラディバリウスの評価が低かったというのも、何せ300年前の楽器なので、当時と現代の人間の耳では音質の好みが違うのじゃなかろうか? 味覚の好みも年齢によって変化するのだから、国や時代が違えば当然好みは変わってくるでしょうし、現代人が聞き慣れている音を聞かせた方が自然に思えるでしょう?
 それと、楽器はそれぞれクセがあるので、同じ楽器を毎日いじってあげてこそ、その楽器に合った微妙な力加減やらが身に付いてくる。新品の靴は違和感があるけど履いているうちに足の方が靴に合ってくる感じかな。
 会場の演奏者に突然骨董品を渡して、演奏させてもその楽器の本当の音色を引き出すのは難しいでしょう。むしろ現代の品ならある程度勝手がわかっていてひきやすいのかもしれない。
 二胡の弦は現在スチールが主流ですが、その前は三味線みたいに絹弦でした。売っているのを見かけたので試してみたものの、鏡深には
まともな音が出せなかったので諦めた(笑)。絹弦の味わいを楽しむ前に、まず絹弦の特性に慣れるくらいの期間はいじくる必要がある。

 そんな感じに楽器の音の善し悪しというのは、おおむね好き嫌いなので、どれが上で下でという事は言えないと思う。例えば、肌色の絵の具より紫の絵の具の方が値段が高かったから、より美しくするため人物画の肌を紫に塗りました、というのは正気じゃない。その楽器に合った場面なり曲なり客なり、さらには使用者なりを選ばないといけないし、むしろ楽器の方から選んでくる。

 じゃあ、音の値段はどこで決まってくるの?っていうという事ですが、そもそも楽器を選ぶくらいの人の修練は一般人に聞き取れる程度の違いで勝負している訳じゃないです。(笑
 あるレベルを越えてくると、その曲をよく知っている人しか気付かないとか、すごい部分が曲に馴染んでいて気付かないとか、何度も聞いてみて、やっと「当たり前のようにやってるけど、もしかしたら凄い技術なんじゃないだろうか?」とか、「神は細部に宿りたまう」という言葉通り、
極めて地味な部分に何十年もかけて創意工夫を重ねる訳です。それが「修練に費やした労力と時間」で、これを中国では「功夫」と呼びます。高い楽器を買っただけで良い音が出るなら誰も苦労しません。

 ストラディバリウスで「冬のソ★タ」でも聞かせてやれば喜んで大金出して聞きに来てくれるのなら、それはそれでいいんですけどね。


2012年1月2日

 あけましておめでとうございます。年末の激務を終えて、あと数日もすれば通常の業務に戻れます。鏡深はまだ生きておりますので、今年もよろしくお願いいたします。

 昨年のうちに「1月からの無料レッスン」参加のお問い合わせをくださった方々に連絡のメールを送ったのが31日だったのですが、届いてないよ、とか言う人は再度メールしていただければ幸いです。1月15日の班にまだ空きがありますので募集はまだ続けております。

 さてさて、多くの中国で生活する日本人は日本社会から断絶されている所があり、帰国してからの社会復帰が大きな課題となります。それで、色々な事情から中国に全く関係の無い職に就く人も多いのですが、鏡深は中国で学んだ事や収集した物を役立てて生活できているだけ幸運。
 鏡深が中国から帰ってきて、もう4年目ですが、そんな感じに、ようやく目標としていた日本での生活基盤が整いつつあります。良い節目ですので、
当時鏡深が日本から中国に持って行っていた本を紹介してみようかな、という所。自分でも忘れてしまいそうなので。

 本は魂の具現化した形です。一冊一冊はその著者の思想ですが、それが数冊集まる事で、本来目に見えず、あるいは意識してもいない所有者個人の思想や興味を整理・分類できたりします。人によっては本棚を見られるのを嫌がる人もいますし、他人の本棚を見て、その人の人間的価値を推し量ったりもできます。(できると信じている人もいます)
 もちろん、何でもかんでも中国に持って行ける訳じゃないので、それなりに意識した選択が働いていますし、中国で読もうと思って持って行った本じゃなくて、中国でも手元に置いておきたかった本ですから、全て日本で読了済みです。なので、以下の本を読んでみると、鏡深が何を考えて中国で生活していたのかが見えてくるかもしれませんし、あきれられるかもしれません。

★澁澤龍彦『高丘親王航海記』(文藝春秋)
 言わずと知れた澁澤龍彦の遺作。高岳親王は平安時代に実在した人物で弘法大師の弟子。唐に渡った後天竺へ向かいますが、途中で行方不明。高岳親王を主人公としたファンタジーで、アジア地域を舞台にした旅行記。澁澤龍彦が晩年咽頭癌で亡くなった事を考えると、内容は夢を見るような死の覚悟であり、この世から消え去るための旅行記と読めます。
 留学開始時から中国に持って行っていた本でハードカバー版です。

★泉鏡花『歌行燈』(岩波文庫)
 ヒロインは芸者でありながら極めつけの音痴で三味線が憶えられず、仕事にならないため、いじめられるのを苦にしていた所を旅の能楽師に謡と舞を教えられます。
 泉鏡花は鏡深が昔から好んで読んだ作家で、見てわかるようにハンドルネームの元です。これも留学開始時から中国へ持って行きました。

★世阿弥『風姿花伝』(岩波文庫)
 室町時代に書かれた能楽の秘伝書でありながら、芸道全てに通じる修業方法、美学理論がまとめられています。日本人の美意識の基礎として現代でも通じますが、中国を源流とする思想が根底に読み取れて楽しいです。

★中野美代子『眠る石』(ハルキ文庫)
 中野美代子は中国文学研究で大量の本を出しており、中でも『西遊記』関連が多いのですが、この本は短編集です。一部ヨーロッパも含んでいますが、ほぼアジア全域を広く舞台として、一貫性が無いけど実在した時代・地域・人物が登場します。

★ムアコック『この世の彼方の海』(ハヤカワ文庫)
 大河ファンタジー「エルリック・サーガ」の2巻。異次元間を航行する船に拾われた主人公が否応なく闘争に巻き込まれる冒険小説。主人公を含めて登場人物がことごとく不幸な状況と悲劇的な結末を迎えます。

ミロラド・パヴィチ『ハザール事典 [男性版]』(東京創元社)
 ハザールの「夢の狩人」に関するキリスト教・イスラム教・ユダヤ教ごと辞典形式に編纂されていますが、内容は短編集。時系列に並んでおらず、夢の中を行き来するように内容が交錯しています。鏡深が持っているのは「男性版」ですが、一部内容の違う「女性版」も出版されています。音楽や楽器の登場する項目も多く、中でもウード奏者マスーディの登場する項目は非常に面白いです。

★杉浦日向子『ニッポニア・ニッポン』(ちくま文庫)
★杉浦日向子『合葬』(ちくま文庫)
★杉浦日向子『百物語』(新潮文庫)
 江戸後期を舞台にした時代物の漫画。江戸風俗研究家杉浦日向子は鏡深が中国にいる間に亡くなりました。

★芦奈野ひとし『ヨコハマ買い出し紀行』(講談社)
 衰退した日本を舞台とする近未来を舞台とした漫画。描かれている荒廃した風景は、鏡深が歩き回った日本のイナカを思い出させ、非常にノスタルジーを感じます。終焉がかならずしも悲劇的では無いという独特の優しい世界観によっています。作品中に登場する音楽描写のほとんどは音符や擬音が使用されておらず、音楽が視覚的に表記不可能である事を強く意識している作者の工夫が感じられます。
 単行本が2006年に出版された完結の14巻まで毎年出版されていたので、日本に帰国する度に買って行きました。

★『老子(上下)』(朝日文庫)
★『荘子(全四巻)』(岩波文庫)
 ある意味、鏡深の生活の指針となっている「老荘思想」と呼ばれる中国古典哲学の教典です。『老子』は非常に難解でありながら、簡潔な文章で世の中の真理を述べていますが、それに従って生きようとするならば確実に社会に適応できなくなります。「真実と現実は不一致(by 釣巻和)」らしいですから。
 『荘子』は老子の思想をベースにしていますが、思想書というより、むしろ読み物として面白いです。こういう生き方をしていると、間違っても金持ちにはなれないというのが身にしみてわかります。

★『中日大辞典』(大修館書店)
★『岩波日中辞典』(岩波書店)


2011年12月22日

 今年も最後のレッスンを終えて鏡深はこれから過酷な連続勤務へと突入する訳で、今日が最後の休日になるので、自分で出す年賀状の準備と、最後のページの更新をやっている訳です。おかげさまで、何とか今年も教室を閉鎖する事なく年を越せそうですので、一安心でございます。これも真剣に二胡の修練に打ち込んでくれる生徒さんが通ってくれるからこそ。ありがたい限りです。来年も引き続き「牛吟庵」をよろしくお願いいたします。

 で、今年は3月に大震災があって少しの間仕事が休みだったもので、その期間に中国のドラマ『三国』を見ていたりしたのですが、それで楽器を演奏する場面をピックアップしたりしておりました。以前は簫の演奏場面を解説したので、今回は「古琴」です。

 さて、この時代は胡琴類がまだ無かったのでドラマ中に二胡は使われていないのですが、非常に多く登場するのが古琴です。日本で言う「琴」とは違います。日本で普通目にする琴は正確には「筝」ですので別の楽器。古琴はスタンダードなもので七弦、琴柱が無いので左手で弦を押えて音階を作り、右手で弾きます。構造上、泛音を多用でき、弦を弾いた後に押えた左手を移動できるので、極めて複雑な余韻を作り出す事ができますが、音量が小さいため現代の器楽合奏に使われる事は希で、どちらかと言うと「虚」の音を楽しむ内観的な性格の強い楽器だと思います。
 難しい話は下のリンクにもある「鎌倉琴社」様のページでもご覧ください。古代中国では身分の高い文人に愛好された楽器ですから、となると、古代からの文書・楽譜が多く残っているという事です。2500年も以前の
孔子が作ったとされる曲が残ってたりするのも人類史的には驚異です。(笑

 一般に昔から楽器を専門にする人は身分が低く、読み書きができなかったので、音楽に関する古文献というのは少ないのですよね。100年ほど前、音楽教師、劉天華の登場により二胡の技術・練習方法が飛躍的に発展したのは、その論文や楽譜が彼の出版活動によって広く流布したからに他なりません。彼自身、音楽に携わる人に対する偏見に憤っていたという説もありますから、この時代の音楽関係者は賎業と見られていたはずです。
 対して古琴は別格であったため、共産党から特に強い弾圧を受けます。前述の通り、古琴を愛好した身分の高い階級だったため、文★大★命時期などは粛正の対象になります。孔子の儒家思想も共産主義とは相容れないものだし。その流れで孔子平★賞や孔★学院なんて作ってしまう中国的センスはステキですね。

 それはさて置き、ドラマ『三国』23話では、美人姉妹の大喬・小喬が竹やぶで弾いていた古琴の音色を通りかかった孫策・周瑜が耳にし、喬公の娘である事を突き止めて訪ねる流れです。ご存知の通り、後に姉大喬は孫策の妻、妹小喬は周瑜の妻となります。
 まあ、そんな事はどうだっていいのですが、竹は中空になっているため、
竹やぶの中で楽器を演奏すると良く響くそうで、人の通りも少ないでしょうから迷惑にもならないし、たぶん練習するのに最適なんだと思う。そういえば、「竹林の七賢」というくらいだから、アレも集まって楽器を鳴らすのには竹やぶが適していたのでしょう。ちなみに鏡深は竹やぶは蚊が多いので嫌いです。近くに竹やぶが無いかを確認してから野宿した方が無難です。

 ドラマのこの辺りでは古琴の演奏中のBGMで古筝曲を流していたりするので、中国人も皆が筝と琴の区別がついている訳ではないみたいですが、話数が進むにつれてちゃんと古琴曲を使ってくれるようになってきます。
 ドラマ中での楽器とBGMのミスマッチという点では、
諸葛亮の弾く琴が一見珍妙です。BGMは古琴ですし、奏法も古琴っぽいのですが、弾いている楽器が「瑟」のように見えます。でも、琴柱が無いので「瑟」でもなさそうだけど。。。
 最後まで一貫してこの琴を使い続けるので、諸葛亮の非凡さを表現するために通常の七弦琴ではなく、もっと多い弦の楽器を使わせたかった、という制作側の意図があるようにも感じられますが、弦の数が多くなるほど難しそうに見えると感じるのはいかにも安直。

 さて、「瑟」というのは古くからある楽器なのですが、どちらかというと「筝」の前身です。秦代音楽家の娘たちが「瑟」を奪い合って壊してしまい13弦と12弦になってしまった。それで、竹かんむりに争うと書いて「筝」と名付けたとの伝説があります。もっとも、現在の中国筝は21弦ありますので、再び「瑟」に近づいている訳ですが、日本の筝は13弦なので、古代中国の流れをより純粋に引いていると言えるでしょう。

 諸葛亮の琴に関するエピソードで有名なのが「空城計」ですね。司馬懿が率いる魏軍が兵力の無い諸葛亮の城を攻めた時、諸葛亮はあえて開け放った城門の上で琴を弾くという奇策を用います。それを見た司馬懿は誘い込む罠と警戒して撤退しました。この話が史実かどうかは、さして問題では無いです。

 空城計は『兵法三十六計』にある事から歴史的に用いた武将は多いのですが、琴を弾いたのは諸葛亮くらいです。矢を射掛けられたら終わりじゃね? という無粋な話も置いといて、敵将の司馬懿は諸葛亮の琴の音色に乱れが無いのを聞き取って撤退を決める訳です。相手が知将として有名な司馬懿だったからこそ、琴の音色を聞き取る事を期待しての作戦だったのですね。
 それくらい古代中国の文人にとっては、古琴の音楽知識を持つ事が常識だった訳です。逆に、ここで司馬懿が琴の音色を聞いてもなおかつ、城に攻め込んでしまっていたら、楽々と勝利できたかもしれませんが、後に琴の音色も理解できない無粋なエセ知識人との評判が立った事でしょう。そう考えると、諸葛亮は城門の上で琴を弾く事で、
魏軍相手ではなく、司馬懿個人のプライドに対して戦いを挑んでいたのではないでしょうか?

 二胡の演奏においても、曲中でいつも間違う難しい部分にさしかかると体が緊張して、やっぱり間違うとか、マーフィーばりに決定的な結果を生み出してしまったりする訳で、心の乱れが演奏の乱れにつながるのは良くある事です。あるいは外的な状況的な要因によって、いつもの演奏ができないというのも出てくる。その辺りを上手くコントロールして、敵を欺く策を練った諸葛亮は智将としても、音楽家としても非凡な才を持っていたと書かれているのでしょう。鏡深はあまり好きではないけどね。

 司馬懿は後にクーデターを起こし、孫の司馬炎が西晋を建てる事になるのですが。この司馬懿がドラマ中で琴を弾く場面が明らかに間違っていました。左右逆なんですね。後の場面ではちゃんと普通に弾いているので、何か意図があったのだろうか? とも勘ぐれますが。

 別に古琴の場合は弦の並びを逆にすれば、左右逆に置いて演奏する琴も可能でしょうし、二胡だって内外の弦を逆に張れば逆の構えも可能です。でも、二胡は弓の動作が大きいので、大勢で拉いていると邪魔にされますし、独りだけ弓の動きが逆だと非常に目立ちますから、やめた方がいいです。笛子なら左右どちらに構えても邪魔にはなりませんし、右で吹きやすいのと左で吹きやすい作りとがあるのを見ても、あまり気にしてないみたい。

 こんな感じに、古琴を演奏している場面をドラマ『三国』から抜き出してみた訳ですが、どのような場所や状況で楽器を演奏するのか、自分が演奏する立場に当てはめて空想してみるのも面白いかと思います。
 通常、練習している時は楽譜と楽器と自分しか意識していないと思うけど、演奏する環境というのも重要な要素です。それが自室か教室かしか初心者にはありえないでしょうが、ドラマにあるように、いろんな場面で演奏が重要な要素となりえます。

 楽器を持って旅行に出て、いろんな場所で演奏してみるのも楽しいですよね。この時期は寒くて外で演奏するのには相当な根性がいるのですが。今の仕事から解放されたら、暖かい季節にでも、また二胡を背負って方々で行き倒れたいです。(笑

 では、よいお年を!


2011年12月12日

 今年も「良いお年を」の挨拶でレッスンを終了する季節が来てしまいました。次回レッスンの12月18日を過ぎますと、鏡深は激務モードに入ります。来年1月からの無料レッスンのお問い合わせもポツポツ来るようになりましたので、中止は無さそうです。

 それで、この日曜最終レッスン12月18日は松島から仙台まで駅伝大会のコースになっておりまして、この辺りの45号線はちょうどお昼前後に交通規制が行われるそうです。時間帯に引っかかりそうな生徒さんは、使用するルートを事前にご確認いただく事をお願いいたします。場合によってはJR仙石線をお使いになった方が便利かもしれません。

 さて「牛吟庵」は来年の春ごろを目指して、榴ヶ岡に教室を移す準備をしております。生徒さんのほとんどが仙台方面からいらっしゃるので、もう少し交通の便が良い所をと考え、どうせなら今の小さな教室より広めの防音室へと作ろうぢゃないか、という方向で鏡深は労働にいそしんでいる訳です。おかげさまで今回の定期健康診断では肝臓が引っかかりました。大して飲んでいる訳でもないのですがね。


2011年10月10日

 10月からの無料レッスンは開始しております。すでに3つの班全てが第一回目を終えました。お疲れさまです。次回の無料レッスン開始は来年1月ですので、ご希望の方はメールくれるといいと思うよ。さて、その無料レッスンの方が言ってたのですが、このページを読んで鏡深がどんな恐い人なのかと想像していた、とかなんとか。。。恐いですか?(笑
 以前ページ上で、山に篭って楽器を練習する方法をレクチャーしていた時には、
お茶を空き缶で出されたらどうしよう、と心配していた生徒さんがいました。鏡深はそういう風に思われているらしいです。多分、不正解では無いと思うのですが、ワンカップのコップはあったとしても、空き缶でお茶は出てきません
 案外、このページを事前に読む事で、来る生徒さんがフルイにかけられているような気がしますね。それで随分損しているのかもしれないけど、熱意のある生徒さんのみが来てくれている、と信じたい。

 それはそれとして9月19日にも書いたのですが、出席率の良い生徒さんはレッスン代を割引しようかな、という企画。レッスンで「この半年間で10回以上出席した生徒さんは10月から割引するから」と言ったら生徒さん達に大反対されました。曰く「突然言い出すのはおかしい、そうと知っていれば、ちゃんと出席した。」という事らしい。それでも該当者はいたのですが。。。
 
まさか、安くすると言って怒られるとは思わなかったので動揺したのですが、それなら、という事でこの企画は今回無効。次回10月から数えて来年3月までに10回以上の出席で、4月から半年間のレッスン代が2割引になります、と予告しておきます。
 基本的に鏡深はあからさまに
「利」で人を釣るようなマネが好きじゃないので、だいたいこういった割引やプレゼントは突然後出しでやってたりしますから、参加者のみが知っているって事はよくあります。サプライズが面白いんじゃないですか?(笑

 話は変わるけど、中国で道を聞くと高確率で逆方向を教えられます。意地悪でわざとやっているのか、それとも「知らない」と言いたくないから知ったか振りをして適当な事を教えられるのか、とにかく埒が明かない。それで駅前とかで売りつけてくる地図を買って自力で行こうとすると、縮尺がいいかげん(軍事的理由でわざと不正確に作っていると聞いた事がある)なので、近いと思っても何時間も歩くはめになる。たぶんイタリアも同じようなものなのでしょう。
 と、ここまでが前振り。先日、半年以上前の生徒さんが久しぶりに訪ねてきたのだけど、部屋番号を忘れていて迷ったあげく、そこらの部屋を訪ねて「二胡教室のある部屋はどこか?」と聞いて回ったそうで。隣の部屋のおじさんにも聞いたところ、そんなものはこの辺には無いよ、って言われたとか。もう
2年以上ここで二胡教室やっておりますが、お隣さんは全く気付いていなかった事実。いつ騒音の苦情が来るかとビクビクして暮らしてましたが、全然問題無かったようです。生徒さんが来る前には結構ガンガン音出して拉いていたりするのですが、あまり廊下までは聞こえていないらしい。
 いや待て。もしかしたら日頃から騒音でムカついていて、隣が日常的に楽器やっているって知っているけど、意地悪で知らない振りをしてみた、って事も考えられない?


2011年9月19日

 いつも二胡教室「牛吟庵」に通ってくれて、本当にありがたいです。生徒さんが来てくれると思えば、レッスン前の雑巾掛けにも力が入るってものです。なので、出席率の高い生徒さんはレッスン代を割引しようかなって案があった訳ですよ。4月と10月に(無料レッスン除く)過去半年間(12回のうち)に10回以上出席してくれた生徒さんにね、半年間20%引きくらいで(計算が楽だから)。時給を減らされた身分で、さらに収入減らしてどうするんだ、って気もするけどね(笑)。ならば、なおさら真面目な生徒さんは大切にしないといけません。

 さてさて、そうやって通ってくれている生徒さん、二胡教室で習う曲は、どうも自分の好みに合わない、知らない曲ばっかりで練習する気が起きない、せっかく二胡を習い始めたのだから大好きな曲を恰好良くひいてみたい。そんな風に思ってたりしませんか?
 え? 鏡深の選曲はベストチョイスなので、毎回のレッスンだけで楽しくてしょうがない? ところが世の中そんな生徒さんばかりじゃないんですよね。(苦笑

 という訳で、今回はその辺に落ちている楽譜の曲を簡単に二胡で演奏してみよう、ってな話。他所の楽譜を自分で分析して二胡で再現してみるのも、音楽の知識・センスを磨くのには大事な練習です。別に、生徒さんが毎度持ち込む曲が、鏡深の好みに合わない、知らない曲ばっかりで練習する気が起きない、って訳じゃありませんよ。いやホントに。(笑

 無論、二胡も4〜5級レベル以上の腕と知識を持っていれば、大概の曲は根気と気合いで何とでもできるようになります(もちろん二胡の性能上問題のある曲は無理ですが)。中国の子供たちなら1対1のレッスンを週1で受け、年に2回ある二胡試験に毎回合格したとして、3年もあれば到達できるレベルです。「牛吟庵」だと月2回のレッスンですから皆勤賞でも倍の時間がかかるとして、6年でできればイイなあって希望で進めてる。だから頼みますよ、皆さん!
 でも、ラーメンだって3分あれば完成する時代、そんなに待ってられない、今すぐにカッコイイ曲をひきたい! てな生徒さんのための解説ですから、超特急でめんどい修業はスッ飛ばします。

 とりあえず最初にする事は、自分の演奏できる音域を把握します。例えばD調の第一把位(左手を移動させない位置)の小指まで使える場合、下は「ド」から、上は1オクターブ高い「レ」まで使えますね。ドレミファソラシドレの9個の音が使えます。小指は無理っぽいって生徒さんならドレミファソラシドの8個の音です。

 次に楽譜を買うなり拾うなりして入手します。入手できたのが数字譜なら話は簡単ですが、通常は五線譜だと思います。ちょうどここに米国のフォスター作曲「おおスザンナ」の五線譜がありましたので、参考にしてみましょう。
 まず、楽譜のオタマジャクシをざっと眺めて
一番低い音と一番高い音を探します。一番低い音は下から2番目の線、一番高い音は一番上と二番目の間にあります。 見つかりましたか? これらの音が、最初に確認した自分の演奏できる音域内に収まれば予定通りカッコ良く演奏できる訳です。

 ここで注意しなければいけないのが、ト音記号の横にあるシャープ(♯)とかフラット(♭)の数です。この楽譜上ではシャープが1個ついていますね。シャープが1個ならG調の楽譜です(詳しくはこちらに一覧表があります)ドがGの上にあるのがG調です。
 それを頭に入れて、もう一度「おおスザンナ」のオタマジャクシの位置を見てみましょう。下から2番目の線が一番低い音でしたね? ここはGの音
なのでこの曲ではドが最も低い音になります。 じゃあ一番高い音は? ドレミファと数えてみるとラになります。
 自分の演奏できる音域の最低音がドで、小指の使えない生徒さんでも上のドまで使えるのですから、「おおスザンナ」は演奏可能だと考えられますね。あとはドレミを123の数字譜に翻訳するだけです。

 次の例題、「アーユースリーピング」の楽譜が落ちていました。「おおスザンナ」と同じくト音記号の横にシャープが1個あるので、やはりG調の楽譜です。一番高い音は「おおスザンナ」と同じ位置にありますが、一番低い音が一番下の線の下にあります。下から2番目の線のGがドですので、下に数えていくと最低音はソです。だとすれば、ソラシドレミファソラまでの音が出せないと演奏できませんね。
 もし、D調の第一把位しか習っていないとすれば、小指まで使えたとしても
ソラシドレまでしか出せないので演奏できません。残念。

 でも、あきらめてはいけません。ここで二胡の内弦をソ・外弦をレと見立てて演奏するG調の指法(奏法)が役に立ちます。D調がある程度習得できたらG調を習いますが、もう習いましたか? G調第一把位(左手を移動させない位置)の小指まで使えるなら、ソラシドレミファソラまで使えますから「アーユースリーピング」が自分の音域内に収まります。がんばって数字譜に翻訳しましょう。

 ここで注意しなければいけないのは、G調の楽譜は必ずG調の指法で演奏しなければいけない、って訳じゃない事ですね。あくまでも楽譜上の最低音と最高音を見つけて、二胡の限られた音域に当てはまるようにキーをずらしているのです。他の楽器と合奏するなら注意が必要だけど、二胡で演奏してみるだけなら問題ありません。

 意外と簡単に二胡用に書き換えられるものでしょう? 後は応用と根気ですので、がんばってくださいね!



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